宮沢賢治全集〈5〉貝の火・よだかの星・カイロ団長ほか (ちくま文庫)
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幼稚園にあがった年にいとこのお兄さんから、宮沢賢治をもらった。
「銀河鉄道の夜」や「虔十公園林」など人間のはなしは、たとえ子どもが主人公であっても、おとなのはなしとして難しく感じられて、「蜘蛛となめくぢと狸」や「ツェねずみ」など虫やけものが主人公の話に夢中になった。
いま読み返して、弱者に弱者のままで向き合い寄り添う繊細な感覚に驚く。
自我ができあがっていない時期に、寓意もわからないまま繰り返し読んだことが果たしていいことだったのかわからない。けれど、もしわたしの中に優しさのようなものがあるとしたら、そのいくらかは宮沢賢治からのいただきものであるような気がする。





まちとさん 
