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モテたい理由 (講談社現代新書)



評価
著者 赤坂真理
出版社 講談社
読者 男性あきゃさん
読書日 2010年07月16日(金)
発売日 2007-12-19
書籍コード ASIN:4062879212 ISBN:9784062879217
値段 756円
形態 新書 10.8×17.0×1.8cm 全240ページ
タグ 処分 新書 

 コメント

一言でまとめると、現代のキャリア女性の生き方について一石を投じた本、という事になると思う。
内容の要約がこんなに曖昧な表現になったのは、ひとえにこの著者の文章力があまりにもお粗末だからである。社長と経理と著者自身の3人しかいなかったとはいえ、よくもこんなまとまりのない文章しか書けない身で雑誌の編集者が務まったものだと呆れ返る。

言葉の選び方は平易で分かりやすい。またバラした文単体で見ていく限り、この著者の物事に対する洞察力は実はかなり優秀である。
現代の非婚化の流れは、女性が社会進出を遂げるにつれ、仕事でも能力を発揮し、かつ幸せな家庭に恵まれる事によって他人から羨まれる存在になりたいという、欲望のハードルを挙げた事が原因であり、実はそうした欲望は女性誌の創り上げた、極めて限られた特権階級にある人にしか手に入れる事の出来ない幻想であるのに、それに気付かずに踊らされている事が原因である、という指摘は非常に鋭いと思う。
また、圧倒的な支持を得た韓流ドラマとオタク男性の‘萌え’るアニメとのストーリー傾向の類似性に着眼し、一般女性がオタク男性を忌避するのは一種の近親憎悪である、という風に分析して見せるところもなかなかユニークな視点であると思う。
更に、男の属性は基本的には‘専門特化’であり、何かに打ち込んで積み上げていくのが仕事の能力として評価される部分なのに、それと相反する‘関係能力’まで女性に望まれるのは、男性にとって非常に過酷な要求を突き付けているに等しい、という意見は、やや極論ではあると思うものの実際的な男女間の壁を本質的に突いた部分であると思う。

だが、こうした文脈を読み取るために、読み手は著者の思いつくままあちらこちらへと脱線していく話にいちいち付き合わなければならない。或いは著者自身の頭の中には逸脱していく論説と本論を繋ぐ要素があるのかも知れないのだが、単に文章を追っていくだけではそれが見えて来ない。それゆえ非常にとっ散らかった印象を受ける。
その事が端的に現れているのが終章である。ここでは内容のの半分が、著者が中学卒業後1年間アメリカの高校に通うことになって受けた心的衝撃について書かれ、それがどうやら戦後の日本人の価値観はアメリカの植民地的な位置に置かれてしまった、という事が書かれている。その箇所のみに於いては破綻はない。だが、本書に於いて論じられているどの部分にリンクしてくるのか、それがサッパリ分からないのだ。

一般的に、(あくまで「一般論」であると断っておくが)女性は論理的思考を苦手とする、という事は脳科学者の口からよく聞かれる事だが、本書はその典型といえる。
担当編集者も本書の紹介には苦悩したと見え、本文の一番刺激的な箇所を抜粋する形で、カバーに設けられた内容紹介の箇所を埋めている。それ以外、本書をうまく読み手にアピールする方法がなかったに違いない。かなりプライドの高そうな人物に思えるから、編集者が論旨をまとめようとしたのも断ったんじゃないかと思える。だが、結局は己の考えだけをとりとめもなく綴っているだけになってしまい、発想の鋭さや面白さも単なる独善としか見えなくなってしまっている。その点が惜しいといえば惜しいし、一方で所詮はその程度の能力しかない、という切って捨てるような見方を読み手に許す部分でもある。
いずれにせよ、感性だけで他人を納得させようとする行為には自ずと限界があるという事を、見事に体現した一冊である。

論文の欠落部分を補う想像力と根気を持ち合わせている人にとっては、現代を読み解く上では意外と楽しめるかも知れないが、基本的にはオススメ出来ません。

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