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読書日記を書く


声に出して笑える日本語 (光文社知恵の森文庫)



評価
著者 立川談四楼
出版社 光文社
読者 男性あきゃさん
読書日 2010年03月14日(日)
発売日 2009-04-09
書籍コード ASIN:4334785271 ISBN:9784334785277
値段 740円
形態 文庫 10.6×15.2×1.2cm 全220ページ
タグ 処分 

 コメント

日本語にまつわる失敗談を集めたコラム集。
人の云い間違いや書き間違いをあげつらったり、逆にそうしたものに対して返される減らず口を褒め称えたり、一ひねり加えられたダジャレに感じ入ったり、という内容。

この人、ハッキリ云ってセンスありません。
っていうか、初出は8年前だそうだが、それでも報道番組でコメンテーターがやらかした「不幸のズンドコ」発言とか、結婚披露宴での「ふしだらな娘ですが」という云い間違いとか、居酒屋の親父が得意気に書いてる「春夏冬」と書いて「あきない」と読ませるネタだとか、手垢の付きまくったネタを得々と書いてるのには、アンタのアタマん中は昭和で止まってるのか、と問い詰めたくなる。古い話と断ってはいるが、「■肉■食」の漢字穴埋め問題に学生が「焼肉定食」と答えたなんて話は、こちらにしてみりゃ小学生時代に塾講師から聞いたネタだ。会社のしょーもない上司が酒に酔って口走ったにしてもドン引きなネタを、仮にも噺家といういわば言葉のプロが、本に書いて人様からカネ取りますか? 「ほぼ日刊イトイ新聞」サイトの「言いまつがい」コーナーを覗けば、素人の投稿によるもっと上質なネタが毎日更新され、しかもタダで見られるというこのご時世に。
楽屋オチ的な兄弟子のネタにしても、著者が感心している程格別気の効いた返しをしているとは思えないまま話は流れていってしまう。少しも感心するところがない。
また取り上げられたダジャレも所詮は駄ジャレであって、そういうものはその場の雰囲気が温まっていれば時に笑いを生む事もあるが、活字を追っている人間を笑わせるのには相当な技術を要する。その才能は本書を読む限り少なくともこの著者にはないと思う。しかも自分がそうしたお寒い内容を語っているにもかかわらず、自分がつまらないとおもった冗談を取り上げてはそれをくさして見せたりする。アンタがそれを云うな、という感じである。
古くからの言い回しを現代の人が分かってなかったりしたようなエピソードについて、上から目線で嘆き節を入れてみたりして見せるところも、小物のクセに偉そうにふんぞり返っているように見えて、そこがまた気に入らない。
そうした不愉快な気分で読んでいるうち、以前仕事がらみで取引先の新年会に出席した際、余興として招かれた前座クラスの落語家の噺を聞いて、やっぱり手垢まみれのネタが枕に使われていてそれだけでウンザリした気分になった事を思い出した。

世の中お笑いブームが続いている。だが正直、個人的には流行のお笑い芸人のネタを面白いと思う事は少ない。実際、本当には面白いと思われていないからこそ多くのお笑い芸人はブームが過ぎれば使い捨てにされているのだろう。それでも、立川流という新興の一門であるとはいえ、落語という伝統的な笑いの芸に携わる人間の笑いのセンスがこの程度のものであるとしたならば、ブームの波にすら乗れていない落語という文化が廃れていくのも無理はないところである。
現代の世の中はものすごいスピードで情報が流れており、その中で最新のものを追い続けるという作業は確かに容易な事ではない。それでもプロとして生き残っていく事を目指すなら、最新の笑いのネタを探し続ける不断の努力というものが求められるハズである。少なくとも2002年の時点で「帰宅部」という言い回しを新語だと感心しているようではあまりに怠慢だ。
最新を追い切れないというのなら古典を極めるというのも落語家の歩む道の一つではあるが、いずれにしてもこの著者は精進が足りない。無論、センスがないという致命的な欠陥によってこれ以上伸びないだけなのかも知れないが。

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