パラケルススの薔薇 (バベルの図書館 (22))
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コメント
もし私がもっとギリシャ古典と詩と聖書を勉強して原語で読むことができれば、この何倍も心を動かされるだろう。にもかかわらず、ラテン文学の素晴らしさが一滴に蒸留されたような、素晴らしい短編集だと思った。
ボルヘスの物語には一語一語に実体がある。
たとえ一部屋の中で完結する短いはなしでも、部屋にはちゃんとドアがあり、ノブを掴んで開け放てば外が存在しているし、そこで別の物語がはじまる気がするのだ。彼の言葉には確かにそんな力がある。
名言
外で私を待っていたのは、別の夢だった。(P.26「一九八三年八月二十五日」)
「この薔薇を火中に投ずれば、それは燃え尽きたと、灰こそが真実だと、おまえは信じるだろう。だが、よいか、薔薇は永遠のものであり、その外見のみが変わり得るのだ。ふたたびその姿をおまえに見せるためには、一語で十分なのだ」(P.34「パラケルススの薔薇」)





まちとさん 